日々是好日人のダベリ

見てきました『京都薪能』!

今年は、源氏物語千年紀にあたり、源氏に由来する演目が集められました。日中は良いお天気に恵まれ、平安神宮神殿前の特設舞台上から本殿の朱色松の緑、白砂と周囲の柱には提灯がかかり、薪能の雰囲気は最高潮。2日間に亘る初日は、『浮舟』で、あらすじは、宇治川の傍を僧が通りかかったところ柴舟に棹さした一人の女に出会う。僧が女に昔この宇治の里にはどういう人が住んで居たのか尋ねると、女は源氏物語に出てくる浮舟のゆかりの地で、浮舟は桐壷帝の八宮の三の君で光源氏の御子薫大将に通われていたが、兵部卿匂宮にも恋慕され、律儀な薫大将ともの優しい柔和な匂宮と何れに就くべきか迷うが決心つかず川に身を投げて亡きものとなった・・。と語った女は、比叡山の麓の小野に住む者であるが、まだこの身に物怪がついて悩んでいるので立ち寄ってほしいと言って消え失せる。僧は小野の里へ行き浮舟の跡を弔う。すると浮舟が現れる。川に身を投げた浮船は、波に打ち上げられ、木の根元に正体もなく臥していたところを通りかかった比叡山の横川の僧都に助けられ尼になった。今、僧の弔いを受け執心は晴れ、兜率天に生れ変わったと喜び消え失せる・・。と言った内容で演者の素晴らしい朗々とした声と野外のひんやりしたそよ風が心地よく、舞台奥正面の平安神宮の本殿の朱色と薄黒く横たわった東山と篝火の炎の明かりが、いやが上にも薪能の最高の風情を醸していた。新作能の『紅葉賀』は、舞台は清涼殿光源氏の父桐壷帝が先帝の朱雀院に行幸されたおり、若き光源氏とその親友の頭の中将と二人が帝の計らいで舞楽に先立ち、二人の相舞[青海波]を是非女御たちにも見せたいと試楽の場面。舞台の上は、殿上人・更衣・女御たちが華やかな煌びやかな衣装でパッと華が咲いたよう。お互い負けじと舞比べです。勿論舞台は宮中、清涼殿で松林の常磐の緑を背景に、紅葉が散るころで二人の美しい貴公子の舞台には紅、黄の木の葉が舞って踊りと相まって混然一体。中には、涙を流して居る者もいたと源氏物語第7帖もみじのが『紅葉賀』に書いてあります。この場面も、神宮の神殿の朱色が一層華やかさを盛り上げておりました。この二人は、金剛流家元永謹師と観世流片山清司師で、声も舞も素晴らしいものでした。堪能させて頂きました。それにしても、千年前に『源氏物語』が生まれ京都の貴族文化の華やかさといろいろな人との織りなす男女の艶やかさに魅了させた作者紫式部は、この千年紀から後世へ引き継がれて行くことでしょう。人間の永遠のテーマ、男女の愛に和歌・お香・華・着物などの文化を絡めた本当に、難儀な・・難儀な・・物語りで色褪せしない。薪能を見て改めて源氏に興味が湧きました。
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京都薪能篝火に火が入る
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『紅葉賀』片山清司師・金剛永謹師
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